◆炭酸泉とは

炭酸泉とは、炭酸ガス(二酸化炭素)が溶け込んだお湯のことで、別名「ラムネのお風呂」とも言われています。

日本の温泉法では、炭酸ガスが250ppm(1ℓに0.25g)以上溶けたものが炭酸泉と定義されています。
炭酸泉は、濃度が高ければ高いほどその効果も高いと言われており、中でも、炭酸ガスが1000ppm(1ℓに1g)以上溶けたお湯は高濃度炭酸泉と言い「療養泉」とされています。(厚生労働省HP記載)

高濃度炭酸泉は様々な方面で研究が進んでおり、医療の現場でも役立てられています。
高濃度炭酸泉は、他の温泉には無い独自で明確な作用があることが医学的にも証明されており、各方面において広く活用されています。

◆天然炭酸泉と人工炭酸泉

天然炭酸泉とは、炭酸ガスが溶け込んだ状態で天然に湧き出た温泉のことを言います。

炭酸ガスには、高温のお湯に大量に溶けないという性質があることから、泉温が高い日本の様な火山活動が活発な国では、高濃度に炭酸ガスを含んだ天然の炭酸泉に出会うことは非常に稀です。

しかし、その中でも、大分県竹田市直入の長湯温泉は日本で最も良質な天然炭酸泉が湧き出ることで有名な温泉です。

また、海外においては、泉温の低いヨーロッパ地方(特にドイツ)で、高濃度の炭酸泉が多く湧き出しており、古来から「心臓の湯」と呼ばれ、伝統的医療として人々に広く親しまれてきました。
特に、ドイツの「バーデンバーデン」は有名な温泉保有地で、13種類の温度と成分の異なる温泉があり、温泉治療を目的に世界中から多くの人々が訪れます。

日本は世界でも有数の火山大国=温泉大国です。
日本全国には、多くの温泉地がありますが、炭酸泉は全国の温泉のわずか0.5%と言われています。
それも、山奥の山村なので、なかなか行く事ができないのが現実です。

一方、人工炭酸泉とは、お湯にきれいな炭酸ガスだけを溶かした炭酸温水のことを言います。

先に述べた様に、炭酸ガスの性質上、単純に高温のお湯に大量の炭酸ガスを溶け込ませることはできません。
そのため、高温水に炭酸ガスを溶かす特殊技術が開発され、人工的に高濃度炭酸泉を作り出す装置が誕生しました。

現在では、病院をはじめとする医療機関だけでなく、介護施設や温浴施設、エステティックサロン、フィットネスクラブなどで人工炭酸泉が導入され、病気治療に留まらず、美容や健康目的として利用されています。

天然の炭酸泉には、硫黄や鉄分などのミネラルが溶け込んでいますが、人工の炭酸泉には含まれていません。
しかし、1000ppm程度の高濃度の人工炭酸泉には、天然炭酸泉と同じ有効な作用が得られる事が研究により明確にされています。

人工炭酸泉は、泉質が変わったり枯渇したりすることもないため、常に安定した濃度の炭酸泉を供給する事ができます。
高濃度炭酸泉は、炭酸ガスを水に溶かすという、もっとも簡単に手に入る温泉成分の一つです。

炭酸泉に入浴すると、細かな泡が付着し、まるでラムネやシャンパンの中に入っているように感じられます。
ぬるめのお湯でも実際の温度より約2、3度温かく感じるため、低い温度のお湯でゆっくり長湯するのがおススメです。
体の芯から温まり、湯上り後も体がポカポカ温かく、持続性が強いのが特徴です。

◆ヨーロッパでは当たり前

高濃度炭酸泉はヨーロッパで古くから「心臓の湯」として親しまれてきた歴史もあり、
ドイツでは医療保険の適用になるほど、国が効果を認めていると言われています。

炭酸泉は体感温度が2~3度高く感じるため38~39度くらいが適正な温度と言われ、心臓への負担も軽減されます。

炭酸泉足湯や炭酸泉入浴で高濃度炭酸泉に浸かった箇所は血行が促進され、さら湯と比較すると、まるで赤い靴下を履いたくらい、血行が促進されていることが視覚的にも体感して頂けます。

薬事大国の日本では、保険で薬が安く買えますが、根本的な体質改善にはなかなかならないですね。

自分の健康は自分で管理する、自分で作る時代です。分かりやすく言うと、人工炭酸泉の時代になるのです。