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◆医療で活躍する炭酸泉

ヨーロッパでは、ローマ時代からすでに炭酸泉が利用されていた記録が見られ、現在まで天然の炭酸泉を使った治療法が広く行われています。
あの、クレオパトラも炭酸泉で美容と健康管理をしていたと言われています。

近年では高濃度炭酸泉を人工的に製造する技術の開発が進み、日本でも医療の分野などで、その活用が広まり始めています。

特にその効果が認められているのは、炭酸ガスの血管拡張作用によるものです。
炭酸の作用で血管を拡張され、血液循環がよくなることで、心臓の負担の軽減、血圧降下などの効果が見られ、心臓病や動脈硬化、高血圧などの治療に使用されています。

また、傷やケガの治療にも効果があることが報告されています。
高濃度炭酸泉に傷のある部分を浸けておくことで血流が改善して新陳代謝が促進されること、炭酸の抗炎症作用によっても症状改善が期待される療法です。

さらには、自律神経に作用し、痛みや刺激に関係する交感神経の活動を抑制することから、神経痛などの痛みの緩和にも活用されています。
こうした効果は、医療の世界だけでなく、スポーツの分野でも注目を集め、数多くの施設で人工炭酸泉が導入されています。

 

◆NK細胞とHSP

NK細胞とは、ナチュラルキラー細胞と呼ばれる細胞の事で、リンパ球の一種です。
身体にもともと備わっており、全身の細胞を常に監視し、ガン化した細胞やウイルス感染細胞を識別して殺します。

細胞のガン化や、感染の拡大を防ぐ為に必要な自然免疫の重要な細胞です。
高濃度炭酸泉の使用で、NK細胞のリンパ球の活動度が上昇すると研究され、注目されています。

HSPとは、ヒートショックプロテインと呼ばれる、いわゆる細胞修復たんぱくです。

HPSには沢山の種類がありますが、高濃度炭酸泉では特にHPS70が発現すると注目されています。
HSP70は、自己治癒タンパクの中でも細胞を守る働きが強く、様々な臓器を守っています。

また、肌においては紫外線のダメージから肌を守っていることが研究で分かっています。

HSPは、平常状態の細胞内に広く存在し、体がストレスを感じると、それを修復しようと増加・活性化する【自己治癒タンパク】なのです。

炭酸泉浴をすると、NK細胞やHSPが同時に増える画期的な医療行為ともいえます。